中国株のはじめ方!基本ルールと注意点を解説
近年、米国株と並んで注目されている中国株ですが、購入方法や基本ルール、特徴などについてはあまり知られていません。
現在米国に次いで第2位の経済規模を誇り、コロナ禍の主要国において、唯一GDP(国内総生産)がプラス成長している中国は株式取引において魅力的な市場と言えます。
本記事では、初心者向けに中国株の特徴や注意点、また実際に株を購入する方法を解説します。
中国株に興味を持ち、これから投資をはじめてみたいと考えている方はぜひ、ご参考にしてください。
中国株の基本ルール
①中国(香港)株の取引時間
中国の株式取引所は上海、深セン、香港の3つがありますが、日本人の多くは、大企業が多数上場している、日本で例えると東証一部上場のような市場の香港取引所で売買しています。
日本の多くの証券会社でも香港取引所に対応しており、初心者にとって一番始めやすい取引所といえる香港取引所の取引時間は次のとおりです。
区分 | 香港市場取引時間(日本時間) |
---|---|
プレ・オープン | 10:00 ~ 10:30 |
前場 | 10:00 ~ 10:30 |
昼休み | 13:00 ~ 14:00 |
後場 | 14:00 ~ 17:00 |
クロージング・オークション | 17:00 ~ 17:10 |
②中国株の売買単位
日本の株式取引では最低売買単位(単元株式数)は100株ですが、中国株は銘柄によって最低売買単位は異なります。日本で人気の香港取引所では売買単位を2,000株としている銘柄が多く、投資をするためには比較的まとまった金額が必要になります。
また、香港証券取引所ルールにより、1回あたりの発注単位上限は3,000株となっています。
③取引所は上海、深セン、香港の3つ
中国株を扱っている市場には大きく分けて中国本土市場と香港市場の2つの市場があります。本土株式市場には上海、深セン取引所があり、香港株式市場には香港取引所があり、それぞれ異なる銘柄の株式を取り扱っています。
決済通貨や銘柄が異なる、各取引所の特徴については次のとおりです。
区分 | 特徴 |
---|---|
香港取引所 | ・決済通貨/香港ドル ・多数の国内証券会社で取引可能 ・メインボード=大企業銘柄/GEM=成長企業 |
上海取引所 | ・決済通貨/A株=人民元/B株=USドル ・A株=中国国内向け/B株=外国人投資家向け ・一部国内証券会社で取引可能 ・大企業銘柄が豊富 |
深セン取引所 | ・決済通貨/A株=人民元/B株=USドル ・A株=中国国内向け/B株=外国人投資家向け ・限られたごく一部の国内証券会社で取引可能 ・ベンチャー企業銘柄が豊富 |
中国株の特徴
①高配当の銘柄が多い
成長著しい中国株式市場は、各銘柄の値上がり益を見込める他、配当利回りが非常に高い企業が多いのも特徴で、銘柄によっては5%程度の配当を期待できます。
また、香港証券取引所に上場している銘柄の配当金には税金がかからないといったメリットもあります。
②価格変動幅が大きい
米国株と同様に、中国株は株価の値動きが激しいと言われているため、大きな値上がり益が期待できます。
一方で、値動きの大きさは損失リスクも高まるため、自分のリスク許容範囲に応じた投資判断を迅速に行う必要があります。
③経済拡大の見込み
中国株に投資する最大のメリットは、中国経済が未だ伸び代があるという点です。上述したとおり、中国は現在米国に次いで第2位の経済規模を誇っており、コロナ禍の主要国において、唯一GDP(国内総生産)がプラス成長している国でもあります。
今後も安定した成長基盤を軸に、中国経済の成長傾向は続くと言われています。
中国株で気をつけたい注意点
①国策の影響を受けやすい
中国株の最大のデメリットは、国の方針(国策)が民間企業に大きな影響を及ぼす可能性です。 中国は中国共産党の一存によって方針が一新されることもあり、政策変更による余波や民間企業への介入で株価が大きく変動するリスクがあります。
特にアメリカとの関係や貿易問題は中国経済全体に影響する可能性があるので、日頃から国際情報を収集する必要があります。
②情報収集が難しい
米国株の各銘柄情報は英語をはじめとした多言語で世界各国にニュースが発信されますが、中国株の場合、各銘柄の情報は中国語で発信されることが多いため、迅速にデータを集めることは非常に困難です。
過去、経済統計に水増しや不正があったと報道されており、発信された情報やデータに関しても精査することが重要です。
日本で中国株をはじめる方法
中国株をはじめるには、中国株を購入可能な国内の証券会社に口座を開く必要があります。
手数料、取り扱い銘柄、対応している市場、キャンペーンなどは会社によって異なるので、自分の要望に合う証券会社を選ぶことが大切です。
万が一、購入したい銘柄がない場合は証券会社に問い合わせることによって追加される場合もあります。
中国特有のリスクを考慮した上で、中国株をはじめよう!
株式投資には一般的に「信用リスク」「価格変動リスク」「流動性リスク」の3つのリスクがありますが、中国株はそれにプラスして、政治的リスクが伴います。
民主主義国家の日本や米国と違い、中国は一党独裁の共産主義国家で、政治プロセスが異なるため、政党の方針が経済などのあらゆる分野に大きな影響を及ぼします。
中国株を始めるにあたり、上述の中国特有のリスクを考慮した上で、投資を検討しましょう。